観光研究
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29 巻 , 2 号
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論文
  • 横関 隆登, 下村 彰男, 大竹 芙実
    2018 年 29 巻 2 号 p. 5-16
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル オープンアクセス
    地域における観光消費を拡大するためには、個々の事業者に限らず、地域として総合的に解決すべき課題からの検討も必要である。本研究は、観光者を対象に、飲食店における地域空間体験の典型的構造に対する観光者の選好構造を明らかにし、これを基に観光を活用した地域活性化に向けての連携のあり方に論点を見出すことを目的とする。その結果、飲食店における地域空間体験の典型的構造は、観光客と料理と店舗との関係から、“生産地”、“生産者”、“屋内”、“屋外”、“精算”の5 つの概念を見出した。観光者の“精算”意識が向上するときに“屋外”と“生産地”の複合的な組合せが関係していることが明らかになった。
  • 西坂 涼, 古谷 勝則
    2018 年 29 巻 2 号 p. 17-28
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル オープンアクセス
    東日本大震災の震災遺構に来訪者を案内する語り部ガイドは、震災伝承や復興ツーリズムにとって重要な役割を果たしている。本稿では、宮城県石巻市の震災遺構で語り部ガイドを行う地域住民2 名を対象としてインタビューを行い、活動に至った経緯や活動の経過についてSteps for Coding and Theorization(SCAT)による分析を行った。分析の結果、2 名分のストーリーライン及び【語り部ガイド活動の成立及び活動】、【語り部ガイドが抱える課題】、【語り部ガイド活動の展開の可能性】に関する理論記述を得た。これらよりさらに追求すべき点や課題を7 点に分けて整理した。
  • 西村 圭太, 杉本 興運, 菊地 俊夫
    2018 年 29 巻 2 号 p. 29-42
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、埼玉県川越市を事例に、コミュニティサイクルを利用する観光者の回遊行動の特徴を明らかにした。GPS ロガーと質問紙を使った調査によって、観光者の移動軌跡と個人属性に関するデータを取得した。GPS ログのカーネル密度推定によってコミュニティサイクル利用観光者の自転車を利用する場所や時間を、行動指標を基にしたクラスター分析によって移動パターンを明らかにした。それをバス利用観光者の場合と比較した結果、コミュニティサイクル利用観光者は訪問スポット数が多いこと、複数の観光スポットを短時間で訪問して巡るパターンが多いことが明らかになった。
  • 寺口 敬秀, 桜井 慎一
    2018 年 29 巻 2 号 p. 43-51
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は地域の観光資源となる水中文化遺産の分布・利用状況を把握し、水中文化遺産の活用に向けたダイビング環境の整備を行うことを目的としており、各都道府県教育委員会と海に面する586 市町村の教育委員会、および全国のダイビングショップに対して水中文化遺産の分布状況やダイビングでの利用状況を調査した。その結果、日本近海の水中文化遺産は569 件あることが判明し、26 か所のダイビングスポットでは水中文化遺産を活用していることを把握した。一方で、活用されていない水中文化遺産が多く存在していることや、ダイバーが遺産を傷つけてしまうといった問題も一部で発生していることが判明した。
  • 徐 翰林
    2018 年 29 巻 2 号 p. 53-62
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル オープンアクセス
    観光開発は発展途上国にとって貧困を削減させるための戦略として考えられてきた。しかし、既存研究においては貧困削減に対する研究は不十分であると考えられる。そのため、本稿は1995 年から2012 年までの66 ヶ国のデータを使用し、観光開発と貧困緩和に関して計量分析を行う。結果としては、1)観光開発が貧困削減に対して統計的に有意な正の効果をもつことが示される。2)貧困削減効果における観光規模の限界効果は観光特化率(観光収入/GDP)の上昇に伴って減少する。結論としては、観光成長を通じて貧困削減の目標を達成するためには、他の産業とのバランスを図ることの重要性が示される。
  • 横関 隆登
    2018 年 29 巻 2 号 p. 63-74
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は温泉地に対する受益と負担の認識を把握し、浴場利用者の特徴を見出すことを目的とした。対象は由布院温泉の浴場利用者とした。アンケート調査の結果、293 名の浴場利用者から調査票を回収できた。そして来訪動機を分析した結果、浴場利用者を4 つの類型に区分できた。さらに支払意識を分析した結果、それらの類型に相違点を見出した。浴場利用者は、浴場だけに限らず浴場周辺の温泉地で受益を享受している場合、温泉地からの新たな負担依頼に対して許容・納得する傾向があることが明らかになった。
研究ノート
  • 尾家 建生, 李 美花
    2018 年 29 巻 2 号 p. 75-81
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/10
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は日本の「食の街道」と欧米の「フードトレイル」を取り上げ、1980 年代から2010 年代における日本の食によるまちづくりの変遷をたどり、食の街道に見られる日本のフードツーリズム開発の特性を分析するとともに、欧米のフードトレイルとの比較によりフードトレイルのマネジメント理論を明らかにしょうとするものである。予備的研究の成果として、欧米のフードトレイルに見られるステークホルダーの構造―地域の生産・加工、飲食サービス、小売り・観光の3 部門においてバランスの取れたマネジメントが見いだされた。今後のフードトレイルのさらなる調査研究によって日本でのフードツーリズム開発に寄与できると思われる。
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