観光開発は発展途上国にとって貧困を削減させるための戦略として考えられてきた。しかし、既存研究においては貧困削減に対する研究は不十分であると考えられる。そのため、本稿は1995 年から2012 年までの66 ヶ国のデータを使用し、観光開発と貧困緩和に関して計量分析を行う。結果としては、1)観光開発が貧困削減に対して統計的に有意な正の効果をもつことが示される。2)貧困削減効果における観光規模の限界効果は観光特化率(観光収入/GDP)の上昇に伴って減少する。結論としては、観光成長を通じて貧困削減の目標を達成するためには、他の産業とのバランスを図ることの重要性が示される。