2023 年 34 巻 2 号 p. 65-84
本研究は、日本の温泉地におけるヘルスツーリズム形成への示唆を得るため、大分県と鹿児島県のヘルスツーリズム政策、医療機関とウェルネス関連組織の連携によるヘルスツーリズムと政策による影響を比較分析した。大分県ではウェルネス効果の検証のために医療機関とウェルネス関連組織の連携を進めてきたが、連携が停滞している。他方、鹿児島県ではウェルネスツーリズムの商品化を促した結果、ウェルネスによる観光振興と国際的な医療機関を経由する観光振興が共存していた。エビデンス構築の過程を観光振興に取り入れ、医療機関とウェルネス関連組織の国際化がそれぞれに促されるような仕組みを形成することを提案する。