2023 年 35 巻 3 号 p. 51-60
本研究の目的は、石川県鹿島郡中能登町におけるスローツーリズムの展開事例をもとに、地域におけるスローツーリズムの展開可能性と課題を明らかにし、スローツーリズムによる持続可能な地域づくりについて考察することである。本研究の結果として、第一に、スローツーリズムは、地域における生活や暮らしそのものを魅力として表出できること、第二に、地域住民はスローツーリズムに対し、移住者の増加といった副次的な効果を期待していること、第三に、スローツーリズムの推進にかかる課題として、主に「専門人材の養成」、「受入態勢の整備」、「旅行業の登録」といった課題があることが分かった。