2023 年 35 巻 3 号 p. 79-88
本研究では、国民の大半が毎年別荘に滞在するスウェーデンにおいて、所有型別荘の立地とその活用について調査を行った。別荘は湖や海等の水辺に建てられることが多いが、近年では都市部近郊に第二の家として所有し、老後の住まいや在宅ワークの場とする動きもある。別荘の住宅設備は従来サマーコテージとして質素なものであったが、近年はインフラを整備し通年利用可能な利便性の高いものが多い。所有の契機は、ライフステージの変化があった時機に家族・親戚から相続されることが最も多く、一方で主要住宅への利用転換を前提に購入されることもある。滞在中の活動は周囲の自然環境を利用したレジャー等、立地との関連がみられた。