2023 年 35 巻 3 号 p. 69-78
昨今、地域の歴史文化を利用した観光振興が増加しているが、それに対する観光業従事者や市民など各主体の役割は不明確である。そこで、本研究ではこれらを明らかにし、アクターの関わりから見た歴史文化と観光の取り組みの関係を考察した。まず、全国の門前町に対する調査から、観光地度が高いほどまちづくり団体数が多く、まちづくり活動は盛んな傾向にある。次に、大山・筑波山の事例研究から、自身の生業にプラスに働く先導師が観光に関わることで歴史文化観光が行われやすいことや、寺社の観光振興への姿勢が地域の歴史文化と観光の関係に影響を与えていることが明らかになった。