2024 年 36 巻 1 号 p. 5-21
ユネスコエコパーク等で保全されているエスノスケープを観光資源とみなし始めた冒険旅行者は、そこから偶発的に学び、発見することで内面的変化を引き起こす。本研究ではこの学び・発見のありようを越境学習とみなす命題を立てた。そして、その学習能力を担保する非認知能力の多寡がエスノスケープとの出会いを通じて、どのように内面的変化に結びつくのか、ケーススタディとして南アルプスユネスコエコパークにおける外国人冒険旅行者の非認知能力と行動、そして結果の関係を質的比較分析で分析した。結果、命題は支持され、冒険旅行は地域側にもエスノスケープの保全に向けた越境学習(学び合い)を促す可能性が示唆された。