抄録
「有効性評価に基づく乳がん検診ガイドライン2013年版」が国立がん研究センターから公表された。この新たなガイドラインは,40~74歳の女性を対象に「マンモグラフィ単独法」が,死亡率減少効果を示す相応な証拠があり,推奨グレードBになったことである。また,撮影方向は一方向よ り二方向の方が5~20%感度が上がることから,50歳以上にも二方向を推奨している。 マンモグラフィによる乳がん検診は,画質を担保した上で,できる限り放射線被ばく線量を低く保たねばならない。しかし,NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構(精中機構)の施設・画像評価 や技術更新講習会での臨床画像では,思いもよらない被ばくをさせている施設が多く見受けられる。 新しいガイドラインは二方向撮影が推奨され,今まで以上に放射線被ばく線量の最適化を行うことで不利益を少なくすることが緊急の課題となっている。本シンポジウムでは平均乳腺線量の現状と線量拘束値を厳守する精度管理を提案する。