日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
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ISSN-L : 0918-0729
新しい検診精度管理
マンモグラフィ読影結果の画面入力-現状と精度管理の方向性について
須田 波子 森田 孝子丹羽 多恵鈴木 るり子小林 尚美大岩 幹直遠藤 登喜子
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2015 年 24 巻 1 号 p. 22-27

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抄録
マンモグラフィのソフトコピー診断では,結果を端末画面へ直接入力する方式が主流になりつつある。これにより,検索性が向上し,いつでもどの端末からでも画像とともに結果の閲覧が可能になった。しかし,多くの読影医は現行のレポーティングソフトウェアに満足していない。部位や所見用語が思い通りに選べない,第一・第二読影の結果が異なってもそのまま通過してしまう,一つのレポートを複数名で上書きするなど,われわれは個々のソフトウェアに多くの不備があるのを認識して いるが,それらは技術・コスト等の理由で放置され,画面の制約に合わせて情報を削る・変質させるなどして入力したり,リスクを抱えながら運用しているのが現状で,読影内容の質的低下が懸念される。2014国際医用画像総合展出展企業,デジタルマンモグラフィソフトコピー診断講習会参加企業などの協力を得てレポート画面を調査したところ,上述の不備のほか,精度管理に役立つ機能が未開発, 施設の要望に応じたカスタマイズが不可能・あるいはカスタマイズしすぎて情報が欠けるなどの問題があった。開発に対するわれわれの要求は,端末画面入力であっても自分の読影プロセスと判断を正しく記録・報告できること,誤判定を減らすこと,時間のロスを減らすこと,精度管理をしやすくすることである。入力画面について,全国からさまざまな要望を広く集め,その優先度を決め,最低限 の要件を標準化することが必要である。
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