日本乳癌検診学会誌
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がん登録と全国集計報告
日本乳癌検診学会全国集計委員会のこれまでの活動と今後の課題
笠原 善郎
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キーワード: 乳癌検診, 全国集計
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2017 年 26 巻 1 号 p. 62-65

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抄録

日本乳癌検診学会全国集計委員会は,「全国の乳癌検診の実態を把握することによって,その精度と有効性(アウトカム)のさらなる向上を目指すこと及び検診事業(実施体制,実施手順,精度など)の均てん化を目指すこと」を目的に2010年に発足し,2011年に第1回全国集計(2008年度分)を開始した。今回の第6回実施分では全国262施設から2,249,033人分のデータを収集した。対策型検診の市町村による集計である地域保健・健康増進事業報告とは異なり,検診施設からデータを収集するため,任意型検診や40歳未満の若年者,超音波検診受診者などの実態把握も可能で,これまでに任意型検診施設の精度管理の現状分析や検診未把握率の集計などデータの2次利用による検討も実施してきた。登録各施設へは,当初は感謝状と全国集計報告書のみの提供であったが,その後県別のプロセス指標結果を,昨年度より施設別検診結果報告書を同封し,結果のフィードバックも行っている。今後は登録精度の向上を目指すとともに,プロセス指標の精度管理に有用な許容値や目標値の提示や,当学会独自のプロセスインディケータの提案なども含め活動していく予定である。

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