抄録
〔要旨〕【はじめに】ER型救命救急センターのacute care surgery(ACS)体制改善のため,外科内にACSチームを立ち上げ,トラウマコード(trauma code;TC)を策定した。その効果を検証した。【方法】2017年1月~2021年10月に手術かinterventional radiology(IVR)を要した体幹部外傷において,IVRまたは外科治療介入までの所要時間,preventable trauma death(PTD)を,ACSチーム立ち上げおよびTC運用前後で比較した。【結果】対象症例は54件で,ACSチーム稼働後増加していた。IVRまたは外科治療介入までの所要時間はACSチーム稼働後に有意に短縮し,とくにTC適応となる重症例で顕著であった。PTD割合も有意に減少した。【結論】外科内ACSチームとTCは,ER型救命救急センターのIVRまたは外科治療介入所要時間短縮とPTD減少に有用と考えられた。