抄録
〔要旨〕当院では2020年3月からトラウマ・コードの運用が開始され,手術室看護師が救急外来と手術室での緊急手術に参加している。しかし,手術室看護師の多くは外傷手術に関する知識と経験が少なく,不安が強い。そこで,外傷手術のoff-the-job training を実施し,参加した手術室看護師の意識がどのように変化したかを調査した。対象は消化器外科を専門とする手術室看護師4名である。学習前は全員が外傷手術にかかわることに対して強い不安があったが,学習後は全員の不安が軽減し,外傷診療に対してより前向きな気持ちとなっていた。重症外傷診療に対する座学と動物を使用した実習は手術室看護師の不安を軽減し,意識を改善させうる。手術室看護師が抱く不安の軽減,意識の改善はチーム医療に良い影響を及ぼすと期待される。