Japanese Journal of Acute Care Surgery
Online ISSN : 2436-102X
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成熟したAcute Care Surgery teamが担う外科的危機管理部門としての機能
益子 一樹松本 尚安松 比呂志上田 太一朗山本 真梨子船木 裕川口 祐香理坂野 高大原 義明
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2023 年 13 巻 p. 162-167

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抄録
〔要旨〕【はじめに】Acute Care Surgery(ACS)の診療範囲は5本柱と認識されているが,担うべき役割はほかにも存在する。【われわれの試み】地域外科的危機管理部門として以下の活動を行ってきた。①県警特殊部隊とIMAT協定,②サミット時に自衛隊と合同の外傷外科チームを展開,③医療圏多数傷病者対応計画を策定,多機関訓練を反復。【考察】外科が専門分化した現在,ACSは,院内外の外科的リスクに対応するための外科的危機管理部門として最適の存在である。外科的危機管理とそのマネジメントを担うには,外傷外科,とくに穿通性外傷への即応力を有し,災害時医療,メディカルコントロールに精通したディレクターを核とした成熟したACSチームでなければならず,消防,行政,警察,自衛隊等との密な連携が重要となる。このような医師,チームを養成していくには,外科的危機管理部門の役割を明確にし,ACS領域の上位として位置づけ,必要な経験に曝露されるよう環境を創出する必要がある。
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© 2023 日本Acute Care Surgery 学会
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