抄録
〔要旨〕症例は70歳,女性。来院5日前に他院で婦人科ロボット支援下手術を施行され,退院となったが,腹痛・嘔吐のため当院救急外来を受診した。CT検査で腸閉塞を認め,左側腹部のポートサイトに小腸が嵌頓していた。用手還納不能のため,緊急手術を施行した。外腹斜筋膜に,10mm大の欠損と同部に嵌頓した小腸を認めた。壊死はなく,還納後筋膜を縫合閉鎖して終了した。術後経過は良好で,5日目に退院となった。ポートサイトヘルニアはまれな合併症であるが,ロボット手術件数の増加に伴い,今後増加してくると思われる。ロボット手術後の腸閉塞を診察した場合,ポートサイトヘルニアを考慮するべきである。