カイコの幼虫,蛹,ニカメイチュウの幼虫,ワモンゴキブリの成虫およびイエバエ成虫の体液蛋白の雌雄差をアクリルアミドゲルを用いるディスク電気泳動法によって調べた。その結果,体液蛋白の雌雄差はカイコでは5令中期からある特定の泳動帯で差が明らかとなり,蛹期においても差が認められた。同様に雌雄差はニカメイチュウ幼虫,ワモンゴキブリ成虫そしてイエバエ成虫の体液蛋白でそれぞれ特定の泳動帯で認められた。
さらにカイコの5令初期幼虫を用い卵巣,精巣の摘出,移植を行ない,それらが体液蛋白におよぼす影響について調べた。その結果,精巣および卵巣の摘出,移植は幼虫の体液蛋白には影響を与えなかったが,卵巣を摘出したKL系統では蛹の中期においてその変化がみられた。