日本応用動物昆虫学会誌
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トビイロウンカの吸汁習性に関する研究
第2報 甘露泄排からみた吸汁習性
寒川 一成
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1970 年 14 巻 3 号 p. 134-139

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抄録

1. トビイロウンカの甘露排泄状況および含有成分を調べ,本種の吸汁習性を検討した。
2. 雌成虫は雄成虫にくらべ,甘露排泄が著しく活発で,吸汁時には毎時7∼40回の頻度で0.5∼5μlの甘露を排出し,1日の平均総排泄量は13μlであった。
3. 甘露中の平均糖濃度は約2%で,主にグルコースと庶糖を含んでいるが,ウンカは糖を含まぬ排泄液も相当量分泌していた。
4. 甘露中にはまた約0.1%の遊離アミノ酸とアマイドが存在し,主要なものはグルタミン酸,グルタミン,アスパラギン酸,アスパラギン,およびアルギニンであった。
5. 甘露の性状および排泄状況から,トビイロウンカは維管束中の篩管と導管の両組織から吸汁していると考えられた。

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