1978 年 22 巻 1 号 p. 18-21
山形県の中央部に位置する白鷹山(海抜994m)の東側山麓,標高560∼680mのスギ・アカマツ幼令人工造林地において,林床植生のススキ,雑草,雑木,ササ,およびクズが密生している林地を選定し,そこに生息している野ネズミを1974年5月から1976年4月までの2か年間,毎月1回,各回とも3晩連続して採集したところ,つぎの結果がえられた。
(1) ハタネズミの採集数は,スギ・アカマツの幼令人工造林地では,その林床植生が雑草の所において最も多かった。
(2) ヤチネズミの採集数は,スギ幼令人工造林地で,その林床植生が雑草の所において最も多かった。
(3) アカネズミの採集数は,スギ幼令人工造林地にきわめて多く,しかも,その林床植生が雑木の所において最も多かった。
(4) ヒメネズミの採集数は,スギ幼令人工造林地で,その林床植生が雑木の所において著しく多かった。