日本応用動物昆虫学会誌
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ミカンハダニの生活史パラメーターに対する温度の影響
安田 誠
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1982 年 26 巻 1 号 p. 52-57

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抄録
12, 16, 20, 24, 28, 32°Cの各恒温条件下(50∼80% R.H., 16時間照明)における,ミカンハダニの卵期間,全発育期間,平均世代時間(T),孵化率,平均総産卵数,純繁殖率(R0),内的自然増加率(rm)を求めた。同時に卵期間および全発育期間における発育零点と有効積算温度を求めた。
1) 卵期間,全発育期間およびTは32°Cの条件下で,それぞれ5.3日,9.1日,11.7日であったが,12°Cとなると6∼7倍ほどに遅延された。
2) 孵化率,平均総産卵数,R0, rmはいずれも24°Cで最大値を示し,その値はそれぞれ95%, 42.6卵,28.3(性比が雌:雄=7:3の場合),0.171(同上)であった。このことから本種の増殖にとって24°C付近が好適な温度条件であると推測された。
3) 卵期間および全発育期間の発育零点は7.4°Cと8.2°Cであり,それぞれの有効積算温度は123日度と217日度であった。
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