日本応用動物昆虫学会誌
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スクミリンゴガイ(Pomacea canaliculata)の摂食活動に対するカルタップおよびベンスルタップの阻害作用
朝加 明宜佐藤 安夫
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1987 年 31 巻 4 号 p. 339-343

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抄録

1) スクミリンゴガイに対するカルタップおよびベンスルタップ原体のLC50値は,中型成貝で2ppmと10ppm以上,大型成貝では1.9ppmと10ppmであった。
2) 中型成貝によるイネの摂食を完全に阻害するカルタップおよびベンスルタップ原体の最低濃度はイネで0.31ppm以下と0.31ppm,大型成貝では0.20ppmと0.63ppmであった。
3) 10a当り4kg相当のカルタップおよびベンスルタップ粒剤をポットの水中に施用すると,中型成貝による食害は施用後15日間完全に防止された。
4) 育苗箱当りカルタップ粒剤を60gおよび100g施用すると,中型成貝の食害は移植後14日間,大型成貝では21日間ほぼ完全に防止された。
5) 以上の結果から,水田における貝の食害はカルタップおよびベンスルタップ粒剤を水中に4kg/10a,あるいは育苗箱に60g/箱以上,施用すれば約3週間防止できることが示唆された。

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