本研究は,山間豪雪地に暮らす高齢者の生活行動とサポート・ニーズ,健康関連QOLが,季節によりどのような違いがあるのかを明らかにすることを目的とした.要介護下等以上を除く65歳以上のひとり暮らしおよび高齢者のみ世帯の対象者136人に質問紙による面接調査を実施した.その結果,季節によって日常の暮らし方に違いはあったが,生活行動で季節差がみられたのは「バスに乗って1人で外出」「災害への備え」,サポート・ニーズで季節差がみられたのは「防火・防犯」のみであった.また,「いまの生活を継続したい」人の割合は夏季のほうが多く,健康関連QOLでは,「活力」「身体的健康」は冬季に,「精神的健康」は夏季に得点が高かった.今後は,サポート・ニーズに対応した支援と合わせて,冬季には雪の不安を解消し社会的なつながりを継続できるサポート,夏季には身体的な健康管理と痛みへの対処等への働きかけが「精神的健康」「身体的健康」の維持に向け必要である.