2007 年 10 巻 2 号 p. 67-74
訪問介護サービス利用者の満足度とその有効性との関連を検討するために,124人の訪問介護サービス利用者(男性41人,女性83人,平均年齢79.0土9.6歳)を対象に,利用者満足度の質問票を用いて調森を行った.因子分析の結果,利用者の満足度は『ていねいなサービス態度と利用後の変化』『利用者本位の接遇』『利用者の信用や信頼を失うヘルパーの態度』『ヘルパー利用による状態の改善』の4因子から構成されていた.サービスの有効性を従属変数,年齢,性別,介護度,居住形態,主介護者の続柄,ヘルパー利用数,利用者満足度の4因子を独立変数として2項ロジスティック回帰分析を行った結果,『基本的なサービス態度と利用後の変化』因子および『ヘルパー利用による状態の改善』因子の有意な関連を認めた.この結果より,ヘルパー利用者は生活の良好な変化に満足し,それによってサービスを有効と考えていることが示唆された.