2008 年 11 巻 2 号 p. 75-82
本研究は,地域包括支援ネットワーク機能ができるだけ早期に発揮できることを目的に,A県B市の地域包括支援センター,在宅介護支援センターの専門職と研究者で行ったワークショップで得られたデータを基に,地域包括支援ネットワークづくりの現状と課題を質的に分析したものである.研究の結果,地域包括支援ネットワークづくりの課題として,①住民主体の介護予防活動を進めるための技法習得と介護予防教育・地域包括支援センターPR,②家族・地域を視野に入れた介護予防マネジメント,③地域の特性を反映した,うつ・口腔ケア・栄養不足等に関する介護予防サービスの開発,④業務の効率性と目標設定,⑤地域の人相互のネットワークづくりと関係者との情報交換・連絡の5点が明らかとなった.今後はこれらをキーワードにした専門職のスキルアップが必要である.