2009 年 13 巻 1 号 p. 71-77
本研究の目的は,地域在住の女性高齢者26 人(68.2 ± 5.4 歳)を対象に,片足立ち保持時間に関連する要因について検討することである.方法は,片足立ち保持時間と上下肢筋力や足底感覚などの身体機能ならびにTrail making test による注意機能との関連を相関分析ならびに重回帰分析によって分析した.その結果,片足立ち保持時間と有意な相関が認められたのは,足把持力と注意機能であり,足把持力が強いほど,また注意機能が高いほどに片足立ち保持が安定していた.これらの知見から,女性高齢者の注意機能は,片足立ち保持能力に直接的に関与していることが示唆された.