地域における後縦靭帯骨化症(以下,OPLL)患者の心身状況および社会的状況について分析することを目的に,拡大ADL 尺度や難病患者の共通の主観的QOL 尺度(以下,主観的QOL)等について自記式質問紙調査を行った.分析対象者はA 県OPLL 患者友の会105 人であった.
分析対象者の平均年齢は65.7 歳,発病年齢は平均55.1 歳であった.痛み,しびれ,手足の冷えがあると答えた人はいずれも約90%であった.65 歳以上の人は65 歳未満の人に比べて拡大ADL 尺度得点が12 点満点の人が少なく,主観的健康感の低い人が多かった. 拡大ADL 尺度得点は,手足の冷えがかなりある人は,少しある人およびない人に比べて有意に低下していた.主観的QOL 尺度得点は,痛み,しびれ,手足の冷えのすべてにおいて,かなりある人は,少しある人およびない人に比べて有意に低下していた.
OPLL 患者を支えるためには,痛み,しびれ,手足の冷えの増悪を最小限にとどめるための日常的なケアの工夫が重要であると思われる.
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