2011 年 14 巻 2 号 p. 18-25
本研究の目的は,過去10 年間の退院計画に関するわが国の文献を概観し,退院計画に関する概念がどのように用いられているか,その知見をまとめ課題を検討することである.15 件の文献検討を行った結果,退院困難が予測される対象者の特徴は,医学的状況と社会的状況に分けられ,対象者を把握する方法として,入院時スクリーニング票が開発されていた.退院計画の実施については,退院支援部署設置による患者や看護師への効果が明らかになった.一方,入院早期から継続した退院計画の実施,人員配置,病棟看護師の教育など病院全体で取り組むシステムの整備についての必要性が示唆された.