〔目的〕利用者の状態像別に訪問看護業務(とくに間接業務)の内容と時間を明らかにする.
〔方法〕機縁法で選定した19か所の訪問看護事業所にて,調査対象となる患者に関して行われた業務すべてを分単位で記入するよう,全職員に依頼した.業務内容は移動,利用者宅訪問滞在(報酬内,報酬外),間接業務(準備・片づけ・物品調達,他機関との連携,家族との電話連絡,カンファレンス,文書作成,その他)に大別し,対象者の状態像別に分析した.
〔結果〕81人の患者を分析対象とした.訪問滞在は難病・ターミナル患者で有意に長く,他機関との連携は難病で有意に長かった.カンファレンスはターミナル・難病・精神疾患の順に長かった.間接業務時間の割合は,精神疾患がもっとも高かった.
〔考察〕精神疾患患者では,間接業務中心でも採算がとれる制度設計が必要である.患者の状態像が多様な事業所が効率的に業務を行うためには,他機関との協働が必要と考えられた.