日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
研究
在宅女性高齢者における膝痛の有無による床からの立ち上がり動作パターンについて
岩瀬 弘明村田 伸大田尾 浩堀江 淳
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2014 年 18 巻 1 号 p. 68-75

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抄録

本研究の目的は,地域在住の女性高齢者を対象に,膝痛の有無と床からの立ち上がり動作パターンの特徴について検討することである.方法は,床からの立ち上がり動作パターンを分類し,膝痛の有無別に,上下肢・体幹筋力,柔軟性,静的バランス能力,動的バランス能力を比較した.その結果,膝痛あり群は高這いを経て立ち上がるパターンをとる者が多く,膝痛なし群はしゃがみ位を経て立ち上がる者が多かった.また,膝痛の有無別に身体機能を比較した結果,膝痛をもつ高齢者は,膝痛をもたない高齢者よりも大腿四頭筋筋力が弱く,片足立ち保持時間が短く,Timed Up and Go Test (TUG)が遅かった.これらのことから,膝痛のある高齢者は,膝痛による下肢筋力の低下を補うために,高這いを経由して安全に床から立ち上がることが示唆された.

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© 2014 一般社団法人日本在宅ケア学会
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