日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
研究
家族介護者による身体的介護を必要とするがん患者の自覚的負担感に関連する要因の検討
大﨏 美樹萩野 浩
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2014 年 18 巻 1 号 p. 76-82

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抄録

本研究の目的は,家族介護者による身体的介護を必要とするがん患者の自覚的負担感に関連する要因について明らかにすることである.外来通院がん患者310 人を対象にself-perceived burden scale(SPBS)を用いて質問紙による郵送調査を実施し,分析には重回帰分析を用いた.有効回答者210 人のうち performance status 2 以上の74 人を分析対象とした.自覚的負担感と有意な関連がみられたのは,「罹患年数」(β=- 0.326,p =0.006),「家族の病気への受容」(β= 0.303,p = 0.010),「病気と闘うことへの希望」(β=- 0.285,p =0.015)であり,モデルの28.0%の説明力をもった.がん告知後,早期の段階から,身体状態,精神状態,家族との関係とともに自覚的負担感を評価し,介護者と被介護者の双方への支援を検討することの重要性が示唆された.

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© 2014 一般社団法人日本在宅ケア学会
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