日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
研究
在宅パーキンソン病患者に対する聞き流しによる受動的音楽聴音効果の検討
大野 洋一
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2017 年 21 巻 1 号 p. 61-66

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抄録

PD 患者に対する治療方法のひとつとして,音楽を用いた介入が多く報告されている.これまでの音楽聴音の有効性に関する報告では,ヘッドホンでの聴音や歌唱など音楽に集中した状況での効果が中心であった.在 宅生活ではADL の遂行など生活を営むために多くの時間が費やされるため,音楽聴音のみに長い時間をか けにくい状況がある.そこで本研究では,PD 患者に対する聞き流しによる音楽聴音の有効性を検討した.対 象者は在宅で生活しているPD 患者7 人とした.評価項目はSDS,PDQ-39,指タップテスト,日常活動量 とした.結果としてSDS,PDQ-39 の活動性,指タップテストの速度で有意な改善を認めた.また,日常活 動量でも改善傾向を認めた.本研究の結果より聞き流しによる音楽聴音においても有効性が示された.これは, 日常生活上でのBGM のように生活のなかにたいへん取り入れやすい治療方法になりえると考えられる.

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© 2017 一般社団法人日本在宅ケア学会
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