本研究では,認知症グループホームの介護職に対してストレスの実態と虐待の認識の関連を明らかにすることを目的とした.
調査は,認知症グループホームの介護職645人を分析対象者とした.郵送法による無記名自記式質問紙調査を行った.日本版バーンアウト尺度をストレス指標とし,虐待に関する個人の認識と職場環境,日常的介護行動における虐待の認識の有無との関連について2項ロジスティック回帰分析を行った(p < 0.05).
分析結果から,虐待に関する職場環境の問題とストレスとの関連が明らかとなった.また,日常的介護行動における虐待の認識とストレスの関連が明らかとなり,新たな知見といえる.ストレスを低減することで,認知症高齢者の尊厳に配慮した日常的介護行動が遂行される可能性が示唆された.