本研究の目的は,訪問介護に従事するホームヘルパー(以下,ヘルパー)からの情報発信の実態を知り,情報の発信を妨げている要因を明らかにすることである.常勤のヘルパー9 人に,半構成的面接法を行い,インタビューデータを質的統合法(KJ 法)に基づき分析した.その結果,217 のデータは最終6 枚のシンボルマークとして,【情報発信への責務の自覚】【生かされる情報発信の実際】【緊急時対応への決まり事】【情報発信の阻害要因への悩み】【経験知だけでない確信を要望】【多職種連携への期待】が抽出された.ヘルパーの情報発信の阻害要因は,問題発見が苦手なこと,医療への不安をもっていること,精神疾患の人への対応が困難なこと,ヘルパー間で観察項目の情報共有ができないこと,情報の言語化が苦手なことが挙げられた.対策として,訪問看護師が医療や被介護者へのかかわり方の知識を提供する,被介護者のケア時の観察項目の指標をつくる,事例検討会への参加を促すことが示唆された.