日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
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実践報告
精神障害者小規模作業所「ゆうかりハウス」における人形狂言活動に関する検討
増田 安代
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2001 年 4 巻 3 号 p. 48-54

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抄録

精神障害者小規模作業所「ゆうかりハウス」では,1984年より作業活動に人形狂言を取り入れている.本報告では,「ゆうかりハウス」の活動理念や人形狂言活動の内容について紹介しながら,人形狂言活動の効果について検討した内容について報告する.平成11年5月から6月まで,通所者6名と人形狂言を鑑賞した地域住民15名へ聴き取り調査を実施した.通所者には,「対人関係の技能の向上」10項目,「人形狂言への満足感」5項目,「具体的な生活の変化」2項目について,標準化面接法にて実施した.地域住民には,人形狂言鑑賞後の「精神障害者へのイメージ」と「作業所のイメージ」について,非指示的面接法にて実施した.聴取結果から,作業所の活動に人形狂言のような芸術活動を取り入れることは,対人関係の改善や自信の回復につながり,精神障害者の理解にむけての浸透を図ることができるということが示唆された.

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© 2000 一般社団法人日本在宅ケア学会
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