2005 年 9 巻 2 号 p. 15-22
本研究は,ケアマネジャーの全体的職務満足度に関連のある要因を明確化することを目的としている.全国の在宅介護支援センター相談員(ケアマネジャー)1,000名を対象に自記式質問紙を用いた郵送調査を行い,400名より回答を得た.全体的職務満足度を従属変数として,基本属性(7変数),職場環境関連要因(10変数),職場の全体的人間関係(1変数),職務をとおしての人間関係(3変数),職務意識要因(2変数:仕事条件満足度,職務関与意欲)の計23変数を独立変数として重回帰分析を行った.その結果,職場の全体的人間関係,仕事条件満足度,職務関与意欲,職種(2変数)の5変数が,全体的職務満足度に有意な影響要因となった.とくに,職務関与意欲は全体的職務満足度に対してもっとも強い影響を及ぼしている要因であつた.職務関与意欲とは,ケアマネジャーという職業に積極的にかかわっていこうという姿勢を示すものであり,このような意欲を支え,向上させていくようなサポート体制の充実が職務に対する満足度を向上させ,ひいては,利用者に対するケアマネジメントの質を向上させると期待される.