抄録
目 的
初妊婦のセルフケア行動の向上をはかるためにセルフモニタリングを用いた健康学習指導を行い評価する。
研究方法
介入は,日々のセルフケア行動に対するセルフモニタリングを行い,助産師による面接を受ける面接群(17名)とセルフモニタリングのみを行う記録群(20名)の2群を設定し,妊娠15週から34週までの20週間介入を行った。対照群として介入を行わない妊婦(18名)を設定した。評価指標は,不安,セルフケア行動意図とセルフケア行動実践状況とし,妊娠15週,26週,36週に測定した。
結果・考察
記録群では25%の者がプログラムから脱落した。繰り返しのある2要因の分散分析を行ったところ,不安において群の主効果(p<.01),セルフケア行動意図では食生活と日常生活動作において群と時間の有意な交互作用(p<.05),セルフケア行動の実践では異常の予防・早期発見において群の主効果(p<.05)がみられた。セルフモニタリングは不安の軽減をはかりセルフケア行動の意図を高める効果をもたらし,さらに助産師による面接の併用によりセルフケア行動の実践を高めることが示唆された。