日本助産学会誌
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妊娠初期の妻が満足と感じる夫の関わりにおける夫婦の認識
中島 久美子常盤 洋子
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2011 年 25 巻 1 号 p. 45-56

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抄録

目 的
 妊娠初期の夫婦を対象に,妻が満足と感じる夫の関わりにおける夫婦の認識の共通性および差異を明らかにし,妻が満足と感じる夫の関わりを高める看護援助への示唆を得る。
方 法
 妊娠初期の夫婦8組を対象に半構成的面接法によりデータを収集し,分析はベレルソンの内容分析法を参考に行った。カテゴリー分類のスコットの一致率では,夫婦の認識の共通性88.0%,夫婦の認識の差異では,妻のみの認識87.0%,夫のみの認識89.0%となり,信頼性が確保された。
結 果
 妊娠初期の妻が満足と感じる夫の関わりにおける夫婦の認識として,【妻の健康と情動への気づかい】【家事労働の援助】【親になるための準備】の3カテゴリーが抽出され,夫婦の認識の共通性および差異が明らかとなった。
結 論
 妊娠初期の妻が満足と感じる夫の関わりにおける夫婦の認識の共通性および差異として,3カテゴリーが抽出された。夫婦の認識の共通性および差異が明らかとなり,妻が満足と感じる夫の関わりを高める看護援助として,夫婦の間で気持ちの共有と夫婦の良好なコミュニケーションが強化されるよう夫婦に働きかけることが重要であると示唆された。

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© 2011 日本助産学会
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