日本助産学会誌
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総説
分娩第2期の分娩体位が会陰裂傷・会陰切開に及ぼす影響:文献レビュー
篠崎 克子堀内 成子
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2011 年 25 巻 2 号 p. 149-159

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抄録

目 的
 本研究の目的は,分娩第2期における様々な分娩体位が会陰裂傷・会陰切開にどのような影響があるのかに着目し,分析することである。
対象と方法
 助産学,医学分野の論文を中心に検索し,分娩第2期のあらゆる分娩体位と会陰裂傷,会陰切開の関係を量的に分析した。
結 果
 分娩第2期におけるあらゆる体位が会陰裂傷・会陰切開に及ぼす影響は,以下の通りである。1)座位はintact(無傷)の割合も高いが,同時に会陰裂傷も起こりやすいという特徴があった。これは,座位のなかでも産科的な分娩椅子を使用した研究に顕著に現れていた。2)intact(無傷)になりやすく,会陰裂傷が起こりにくい体位は,側臥位,膝手位,蹲踞位であった。3)仰臥位群(セミファーラー位,砕石位を含む)は会陰切開を起こす確率が高かった。
結 論
 分娩第2期における産婦の多様な体位を比較すると,会陰裂傷を起こしにくい体位は側臥位・膝手位・蹲踞位であった。また,会陰切開を起こしやすい体位は仰臥位群であった。

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