抄録
目 的
助産師の専門職的自律性および助産師の産科医師との協働に関連する要因を検討する。また,両者の関連性を分析することで助産師と産科医師との協働関係を強化する手掛かりを見出し,よりよいマタニティケアシステムの方向性を推進するための示唆を得ることを目的とする。
対象と方法
全国より無作為抽出された分娩取扱い医療施設に勤務し,現在分娩を取り扱っている助産師経験年数3年目以上の常勤助産師を対象に,自記式質問紙を用いた量的横断的調査を実施した。測定用具は基本的属性,助産師の専門職的自律性尺度および医療介入決定に関する協働と満足度尺度である。
結 果
研究協力者は578人(最終有効回答率59.5%)であった。
助産師の専門職的自律性には年齢,職位,助産師経験年数,現職場の勤続年数,分娩介助経験件数との関連性が認められた。助産師の産科医師との協働には,職位および分娩介助経験件数との関連性が認められた。
専門職的自律性の高い助産師は,産科医師との協働性も高く,専門職的自律性と協働性との関連性が明らかとなった。
院内助産従事群は,従事していない群と比較して専門職的自律性が高く,産科医師との協働性も有意に高かった。
結 論
助産師の専門職的自律性を育む要因の一つとして,助産師としての専門的な臨床実践と経験の蓄積が示唆された。産科医師との協働関係を促進する要因として,組織のリーダーとしての資質の育成と,熟練した助産技術の習得,助産師が専門職としてより自律性を強化する必要性が示唆された。特に院内助産に従事する助産師は,マタニティケアに必要不可欠な要因である専門職的自律性と産科医師との協働性を兼ね備えていた。有効なマタニティケアシステムの構築には,専門的に自律し,多職種協働できる助産師の活用が有用であることが示唆された。