抄録
目 的
豪州での助産師教育は大学院のみで行われていたが,2002年より学士課程でも行われるようになった。これに伴う助産師教育の現状と課題についての知見を得て,2005年より大学院での助産師教育も開始された日本の助産師教育に示唆を得ることを目的に文献レビューを行った。
方 法
1995年から2014年までの文献をPubmed,CINHALを用い,「Australia」,「midwifery」,「undergraduate」,「postgraduate」,「education」のキーワード検索及びハンドサーチし,61件を収集した。
結 果
助産師教育の現状を具体的に記してある23件を使用した。得られた文献は,看護師免許をもたない助産師教育であるダイレクトエントリー(DE)に関するものがほとんどであった。文献を,「学士課程教育準備期」,「DE教育の開始直後」,「DEの卒業生排出以降」の3つの時期に分けた。「学士課程教育準備期」では,全国助産師教育基準が策定され,共同でDEのカリキュラムを作成する大学もあった。また,大学院でも,助産師としての高度実践者教育へと変更が必要となり,その為の研究がなされた。「DE教育の開始直後」では,DEには社会人入学生と退学者が多いという特徴と,臨床経験のない学生への実習指導の困難さなど課題を抱えることとなった。「DEの卒業生排出以降」ではDE教育を振り返り,共同カリキュラムによる教育の改善,全国助産師基準の改善が行なわれていた。また,全国助産師教育基準はDE学生だけしか遵守していない現状から,関連団体にもこの基準の内容,DE以外の助産師教育基準についての意見を求めていた。
結 論
国際的水準の助産師教育を目指した教育基準は課題が多く,国に合った基準へと改善が続いていた。また,学士課程教育導入により,大学院で教育を受けた助産師は,第三次医療施設での合併症妊婦の管理など高度実践助産師としての役割が試行されていた。本論文は,豪州の全助産師教育の現状と課題を研究対象としたが,DEについての報告が主となり,偏ったものとなった。