日本助産学会誌
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原著
COVID-19流行下における周産期母子医療センターに勤務する助産師のワーク・エンゲージメントに関連する個人の資源 ―レジリエンスに着目して―
内村 真由美小泉 仁子藤井 仁堀内 成子
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2024 年 38 巻 1 号 p. 81-91

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抄録

緒 言

本研究は,COVID-19流行下における周産期母子医療センターに勤務する助産師のワーク・エンゲージメント(Work Engagement,以下WE)に影響する個人の資源であるレジリエンスと個人の背景について明らかにすることを目的とした。

方 法

研究デザインは量的関連探索型研究であり,調査期間は2021年9月~2022年1月である。全国の周産期母子医療センター総計408施設のうち,研究協力を得られた127施設,2,515名の助産師に質問紙を配布した。WE,レジリエンス,個人の背景を調査した。WEを目的変数とし,相関やt検定で関連のみられた説明変数を投入し重回帰分析を行った。

結 果

1,033名(回収率41.1%)より回答を得て,有効回答数984名(有効回答率95.3%)を分析した。対象者の平均年齢は36.7(SD 10.0)歳,平均臨床経験年数は12.1(SD 8.94)年であった。対象者の61.1%がCOVID-19患者受け入れ病棟で勤務していた。WEの項目あたりの平均得点は2.95(SD 1.04)であり,年齢が36歳以上,婚姻あり,同居家族あり,職位主任以上,アドバンス助産師認証取得者が,そうでない者より得点が有意に高かった。資質的レジリエンス要因の合計得点は41.35(SD 6.73)で,職位主任以上,アドバンス助産師認証取得者がそうでない者より有意に高かった。獲得的レジリエンス要因の合計得点は32.49(SD 4.19)であり,年齢36歳以上,職位主任以上,アドバンス助産師認証取得者,COVID-19患者受け入れ病棟の勤務者がそうでない者より得点が有意に高かった。WEに関連したのは,年齢,婚姻,資質的レジリエンス要因の[楽観性],[社交性],[行動力],獲得的レジリエンス要因の[問題解決志向]の6項目であった。

結 論

COVID-19流行下における周産期母子医療センターに勤務する助産師のWEに関連していた獲得的レジリエンス要因は[問題解決志向]であった。

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