日本助産学会誌
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褥婦の心配に関する意識調査
丸山 知子
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1988 年 2 巻 1 号 p. 32-41

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抄録

産褥期はマタニティーブルーあるいは産褥うつ等心身の問題が生じやすい時期である。このような状況にある褥婦の心理的問題とそれらに影響する要因を明らかにするために調査を行った。対象は札幌市内の3施設で分娩し授乳に支障のない褥婦147名, 方法は産褥1日から3日目の入院中に記名自記式質問紙を配布し, 産褥3日, 10日, 4週の3回, 同一質問紙に記載してもらった。質問内容はロイの適応モードの生理的ニード, 自己概念, 役割機能, 相互依存の4領域から構成し, 5段階尺度とした。産褥3日目は顕在性不安検査 (MAS) を用した。その結果, 褥婦の心配は産褥3日目に最も高く, 相互依存の夫が側にいてほしい, 育児への夫の協力に対する意識が最も強かった。影響する要因として, 出産歴, 不安性格傾向, 母児同室に統計的有意差が認められた。

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