抄録
分娩においてもアメニティーが求められるようになってきた。そこで今回, 産婦が分娩の場で耳にする音の実態とその反応を調査し, 分娩の場の環境について音を中心に検討した。
病院と助産所で産婦各5例を対象に, 音の実態を測定・観察し, 産婦の反応 ((1) 聞こえた音, (2) 状態不安等), 産婦の特性 ((1) 妊娠中および入院時の不安について, (2) 住環境 (音) ストレス度等) を分娩各期と施設差で比較した。
分娩の場で産婦が耳にする音は施設による特徴がみられ, 医療者の声, 機器の音に対する反応, 状態不安の変化に違いがみられた。
分娩の場における音の環境は, 音の発生数, 大きさ, 産婦の反応や不安の変化の程度から, 助産所のほうが病院に比べて, より日常生活に近い環境であったといえる。