2023 年 7 巻 1 号 p. 33-38
高齢者は薬物療法にさまざまな問題を抱えている。ポリファーマシーとは単に服用する薬剤数が多いことだけでなく,それに関連した薬物有害事象のリスク増加,服薬過誤,服薬アドヒアランス低下等,種々の問題につながる状態である。ポリファーマシーのなかでもとくに注意すべき潜在的不適切処方(PIMs)は,高齢者にとってはベネフィットよりもリスクが大きく,避けるべき,または慎重に投与すべき処方をいう。ポリファーマシー,PIMsはどちらも薬物有害事象の発現や入院などの不良なアウトカムと関連し,またフレイルやサルコペニアとも関連する。高齢者の薬物有害事象はふらつき,抑うつ,食欲低下などの薬剤起因性老年症候群として現れることも多く,フレイル,サルコペニア高齢者にはとくに注意すべきである。フレイル,サルコペニア対策として薬剤によるリスクを知っておくことと,ポリファーマシー対策を中心とした多職種での服薬管理は重要である。