2025 年 9 巻 1 号 p. 24-30
高齢心不全患者では,サルコペニアやカヘキシアの併存が予後や生活の質に大きく影響し,その背景には慢性炎症や代謝異常,筋異化など多因子が関与している。近年,SGLT2阻害薬やARNIなどの心不全治療薬が,心機能改善に加えて筋量や機能維持に対する有益な可能性を示しており,新たな治療戦略として注目されている。一方,心不全患者では多剤併用やPIMsの使用頻度が高く,薬剤起因性老年症候群や身体機能低下のリスクも無視できない。本稿では,心不全におけるサルコペニア·カヘキシアの病態とその治療介入としての薬物療法の可能性を再考し,ポリファーマシー管理や薬剤評価の視点から,安全かつ効果的な治療の実現に向けたアプローチを概説する。