日本外傷学会雑誌
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特集:第37回日本外傷学会総会・学術集会 教育講演
Preventable Pelvic Fracture Death回避のために
原 義明
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2024 年 38 巻 3 号 p. 399-407

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抄録

 Preventable Trauma Death (PTD) の撲滅は外傷外科医の悲願である. PTDの多くに骨盤骨折が含まれていることは注目すべきである. Preventable Pelvic Fracture Death (PPFD) を減少させることはPTDの撲滅に繋がる. 外傷は発症する時間や場所を選べないものの, どこでもいつでも一定のレベルの治療が受けられるように, 重症外傷を診る施設は, 治療を標準化することが重要である. 骨盤骨折に対する初期治療戦略はSheets Wrapping (SW) ・Pelvic Binder (PB), External Fixation (EF), Interventional Radiology (IVR) によるTranscatheter Arterial Embolization (TAE), Preperitoneal Pelvic Packing (PPP), Resuscitative Endovascular Balloon Occlusion of the Aorta (REBOA), Massive Transfusion Protocol (MTP) などであるが, これらの初期治療戦略を再度整理して, より効果的に手技を実施すること, PPFDを回避するために最低限守るべきポイントなどを述べた.

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