日本外傷学会雑誌
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イノシシの鋭い牙による攻撃で生じた開放性気胸の1例
岩﨑 安博川嶋 秀治柴田 尚明田中 真生中島 強國立 晃成置塩 裕子中田 朋紀米満 尚史上田 健太郎加藤 正哉
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ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 37.3_01

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抄録

 症例は50代の男性. 罠にかかったイノシシを捕獲しようとした際に, イノシシに胸部に突進された. さらに転倒後両下肢を複数回咬まれた. 救急隊により開放性気胸と判断されドクターヘリが要請された. 現場で胸腔ドレナージを実施した. 両下肢にも多発切創を認め圧迫止血を行い病院へ搬送した. 第4病日に胸腔ドレーンを抜去し, 第28病日に退院となった. イノシシの犬歯は非常に鋭く大きく, それによる外傷は単なる咬傷でなく, 深部に達する刺創, 切創となり致死的な外傷を来たしうる. また攻撃性が強く多発外傷ともなりうる. イノシシによる外傷を診療する場合には, これらの特徴を踏まえて重症外傷の可能性も念頭に置いて対応する必要がある.

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