行動分析学研究
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教育・福祉現場における積極的行動支援の確実な成果の実現に関する検討
平澤 紀子藤原 義博山本 淳一佐囲東 彰織田 智志
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2004 年 18 巻 2 号 p. 108-119

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抄録
近年の応用行動分析学では、発達障害児者の行動問題を解決するために、積極的行動支援(PositiveBehavioral Support)に代表されるように、行動問題を減らすだけでなく、QOLの向上を積極的に目指していこうという動きがある。そのために、日常場面においては、行動分析学を提供する人と対象者に直接支援を行う人々との協働を前提としているが、その成果は関与する個人や環境の対応能力に委ねられているという指摘にとどまっている。そこで、本論文では、教育・福祉現場において積極的行動支援に基づく実践が行動問題の減少だけでなく、適応行動の増加を実現し、それを継続し拡大するためには何が必要かを明らかにすることにした。そのために、積極的行動支援の2つの基準とともに、実践上の課題を提示している2つの事例を検討し、そのことを通して、どのように積極的行動支援を進めることが有効か、また、その際の課題は何かについて考察した。
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© 2004 一般社団法人 日本行動分析学会
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