行動分析学研究
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ラットは決められた時間、じっとレバーを押し続けられるか? : 反応持続時間分化強化と反応トポグラフィ
平芳 幸子中島 定彦
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2004 年 18 巻 2 号 p. 99-107

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抄録
研究の目的 : 離散試行型反応持続時間分化強化(DRRD)スケジュールの手続きで、決められた時間以上レバーを押し続けるという行動をラットに訓練することが可能かどうか再検討するとともに、ラットのレバー押し行動をビデオ観察することを目的とした。研究計画 : レバー押し反応の持続時間に関して基準変化法を用いた。場面 : オペラント箱で実施した。被験体 : 自由摂食時体重の80%もしくは90%に食餌統制した実験歴のないWistar系アルビノラット雄7匹(訓練途中から6匹)であった。独立変数 : 強化基準値を0秒から3.2秒まで段階的に変化させた。行動の指標 : 各段階でのレバー押し反応の持続時間をコンピュータにより機械計測し、最終段階でのラットの行動をビデオ観察した。結果 : 各条件における反応持続時間の頻度分布における最頻値は、基準値よりやや高い位置に現れた。またビデオ観察により、ラットはレバーの上で前肢を前後に動かしていることが明らかとなった。結論 : ラットに決められた時間以上レバーを押し続けさせる訓練にDRRDスケジュールが有効であることを再確認できた。また、1匹を除くすべてのラットは、じっとレバーを押し続けるのではなく、前肢を前後に動かしてレバーを押し続けていた。
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© 2004 一般社団法人 日本行動分析学会
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