行動分析学研究
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学校場面における発達障害児に対する応用行動分析を用いた介入研究のレビュー : 1990-2005
道城 裕貴野田 航山王丸 誠
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2008 年 22 巻 1 号 p. 4-16

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抄録
通常学級に多様な子どもが在籍する中で、通常学級への学級介入の必要性が高まっている。本研究は、学校場面における発達障害児に対する応用行動分析を用いた介入研究のレビューを行い、学級介入の現状を明らかにすることを目的とした。1990年から2005年までのJournal of Applied Behavior Analysis(JABA)、行動分析学研究などの特別支援教育や応用行動分析に関連した学術雑誌を対象とした。まず、(1)(a)発達障害児を対象とする、(b)学校場面において何らかの介入を行った研究などの基準を満たす論文を選定し、(2)(a)学校種、(b)学級等の種、(c)指導場面、(d)介入対象の子ども、(e)標的行動、という5つの分類カテゴリの定義を決定した。(1)において選定された論文を(2)のカテゴリにもとづいて分類した。結果は、国内、海外いずれにおいても「小学校」の「特別支援学級」において行われた研究が多いことが明らかとなった。標的行動は、国内では「言語行動」、海外ではon-task行動などの「学業従事行動」を対象としたものが多かった。また、「授業中」に発達障害児に「個別」に介入を行った研究が多いことが明らかとなった。海外における研究の方が、国内に比べて「通常学級」で行われ、「グループ」もしくは「学級」を対象とした研究が多く、通常学級に対する学級介入の必要性を示唆することができた。
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© 2008 一般社団法人 日本行動分析学会
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