行動分析学研究
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研究報告
パーセンタイルスケジュールが大学生の野菜摂取行動の拡大に及ぼす効果
大屋 藍子武藤 崇
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2016 年 31 巻 1 号 p. 30-39

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抄録

研究の目的 本研究は、野菜摂取行動に対するパーセンタイルスケジュールが大学生の野菜摂取行動の変動性を増大させるかどうか、また食習慣が改善するかどうか検討した。実験デザイン 参加者間多層ベースラインデザインとABABデザインを組み合わせて用いた。場面 参加者は様々な野菜を摂取するよう教示を受け毎日ウェブアンケートの回答が求められた。参加者 野菜摂取が不足していると感じている7名の大学生がプログラムへ参加した。介入 ベースラインフェイズでは、参加者は毎日その日に摂取した野菜品目名をウェブアンケートへ回答した。介入フェイズでは、ウェブアンケートに加え、パーセンタイルスケジュールが実施された。その日摂取した野菜の種類が直前1週間の野菜摂取を基に算出した基準値より少なかった場合、それを称賛するメッセージが電子メールで送信された。行動の指標 野菜摂取行動に関する異反応数を行動変動性の指標として用いた。またDIHAL.2 (Diagnostic Inventory of Health and Life Habit)と言語報告を食習慣の改善の指標として用いた。結果 一部の参加者において、介入フェイズで異反応数が増大し、食習慣の改善が見られた。結論 野菜摂取行動の拡大においてパーセンタイルスケジュールは明確な効果を示さなかったが一部の参加者に対しては有効であった。

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© 2016 一般社団法人 日本行動分析学会
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