2018 年 32 巻 2 号 p. 110-126
研究の目的 自閉症スペクトラム障害児に対する、4コマ漫画を使用した感情語表出への支援の有効性を検討することを目的とした。研究計画 非同期型の参加者間多層ベースラインデザインを用いた。場面 指導はA大学の一室で行った。参加者 自閉症スペクトラム障害児4名が参加した。実験Ⅰに2名、実験Ⅱに2名が参加した。介入 介入は、感情語リストと感情語数の口頭でのフィードバックを使用した介入条件1と、感情語リストとグラフによるフィードバックを行った介入条件2の2つの介入を行った。行動の指標 4コマ漫画1ストーリーにおける感情語数を従属変数とした。結果 介入直後のプローブ評価(実験Ⅰ)、および1ヶ月後のフォローアップ評価、般化評価(実験Ⅱ)において、ベースライン評価に比べて感情語の増加が見られた。結論 自閉症スペクトラム障害児に対する感情語表出行動の支援において、4コマ漫画を使用した支援は有効である可能性が示唆された。